グローバル人材に関する、こんな本を見つけたので、早速読んでみました。
日本の大学で教員をしていた著者が、アメリカに渡って、「異文化マネジメント」の会社を設立した話からスタートします。アメリカのトップ企業の管理職達に、異国でビジネスをする為のノウハウやトレーニングをされていたという著者。その中で、本当に大切なのは語学ではなく、それぞれの地域、国の文化や歴史、特有のルールを知ること、だと実感したそうです。
著者は様々な文献にあたり、研究を重ねる中で、「文化の世界地図」なるものを作るに至りました。それは、世界は大きく4つのコードに分けて説明した地図。下記がその4つのコードです。
1. リーガルコード
ルールや契約が社会の中心。プロテスタンティズムが原型
2. モラルコード
人間関係が社会の中心。アジアでは儒教・ヒンズー教・仏教が、ラテンアメリカや南ヨーロッパではカトリシズムが原型。
3. レリジャスコード
神の教えが社会の中心。イスラム教が原型。
4. ミックスコード
上記3つのうち、2つ以上が顕著に混在している文化。
著者が上記の4つのコードを使って作り上げたのが「文化の世界地図」。時間を越えて、歴史や文化を学ばないと、このように分類できないでしょうから、作るのは本当に大変な作業だったろうと想像します。
それぞれの地域のコードを予め勉強することにより、現地での生活やビジネス上の交渉もスムーズになることがあるとは思いつつ、これらのコードがステレオタイプになって、思考の足かせになるのは避けないといけないな、と思いました。
子ども向けのグローバル教育というより、すでに大人になった人たちへの提言が多い本でしたが、「文化のメガネ」をかけて、地理も時間も越えて世界を俯瞰する必要がある、というのは子どもにも大人にも有益なアドバイスだと感じました。
ご興味あれば、ぜひ読んでみてくださいね。