企業が求めるグローバル人材とは?(part 2)

前回の記事のパート2です。
3人のお子さんをマレーシアのインターナショナルスクール(IB校)に通わせている鍋嶋さんが、現地の教育の様子をお話しして下さいました。

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グローバル教育について(IB認定校を例に):


IB認定校ではどうやってグローバル人材スキルを身につけているのかに関して、ご自身のお子さん達のケースを例にご説明頂きました。

1.多様性寛容力
多様性を受け入れるために、いつも違う国のことばかり勉強している訳ではない、とのこと。まずは、自分について考える、それから家族、そして地域、母国、他国、と外に広がっていくイメージで勉強しているそう。自分や周りを受け入れることなく、多様性は理解できないという考え方に基づいていて、まずは自己肯定感、周りとの信頼関係を築くことに重点が置かれているとか。

この説明には、深く納得しました。まずは自分を受け入れ、近くの家族、友だちを受け入れること。自己肯定感の高い子どもは、他者を受け入れやすいので、それが引いては異文化や他民族の価値観理解に繋がるのですね。そして、その自己肯定感は、やはり幼少時から家庭で育てていく必要があるのでしょう。

2.問題設定能力
子どもの年齢に合わせて、出来る範囲で問題設定をさせてみるのが大切とのこと。鍋嶋さんの小3のお嬢さんは、太陽系についてレポートを書く宿題が出た時に、木星を選んだそう。そこで星を選ばせることが問題設定能力に繋がっていると思う、とおっしゃっていました。自分で問題を設定する→調べる→面白くなってくる→皆の前で発表する→改善点を見つける→また問題を設定する、の繰り返しなのだとか。PDCAを子どもの頃から意識できる仕組みになっているようです。

学校の宿題だけではなく、親の許容の範囲内で子どもに選ばせる癖をつけると、問題設定能力に繋がるのでは、というお話しもされていました。例えば、宿題を今やるか、夕食の後にやるか、などの小さいことからもでも良さそうです。それなら我が家でも早速できそうです(笑)。

3.リスクを取る力
これはやはり、成功体験をいかに増やしてあげるかがとても重要、とおっしゃっていました。ちょっと難しい程度の挑戦を積み重ね(出来ない挑戦では、子どものやる気が出ない)、成功体験を積んでいくのだとか。IB認定校に通うお子さん達の学校では、先生がこれでもかというほど子ども達を褒めるそうです。

やはり、子どもは褒めて育てろ、ということなのでしょうね。我が家でも出来るだけ褒めるようにしていますが、褒め方も気を使うのは事実。のべつまくなし褒めても、子どもはすぐに見抜いてしまうので、ちゃんと見て、聞いて、努力や行動を褒めるように努めています。

子どもの英語学習について:

グローバル人材は中身が大事、とおっしゃりながらも、やはり英語は必須項目とのお話しでした。世界中の人とコミュニケーションを取るには、通じる英語を身につけよう!と。英語が話せなかったお子さん達が海外のインターナショナルスクールに入った際、先生達に言われたのが“物語を読む必要性”だったそうです。文法を勉強しても話すようにはならない!と言われたのだとか。物語を読むことによって、起承転結を学ぶこともできるし、正しい文章に触れることができるので、最初から最後まで物語を読ませるように心掛けたそうです。

子どもの英語学習で大切なのは、子どものモチベーションを保つこと。英語を頑張るきっかけを作ってあげてください、とおっしゃっていました。また、英語が通じた喜びを体験させると、俄然やる気を出すそうです。

子どもが英語を学ぶ際、モチベーションをどう持たせるかはとても大変、と個人的にも実感しているので、もっと工夫しなければ、と思いました。日本に住んで、日本語ばかり使っていると、なかなか英語を使う機会もないですしね。ちなみに、鍋嶋さんは“きれいな英語”習得を強調していらっしゃいましたが、個人的には特にそこに拘らなくても良いかな、と思っています。アクセントが強かったり、独特の言い回しを使ったり、世界中には色んな英語を話す人がいるので、それらを受け入れて、コミュニケーションを取っていくことが多様性に繋がると思っているからです。まあ、外資系企業の幹部を目指すなら、きれいな英語を話せた方が圧倒的に有利だとは思いますが。

マレーシアで開催される日本人向けサマースクールについて:
これがセミナーの本題だったのですが、他の部分が長くなり、最後に駆け足でご説明されました(笑)。IB認定校であるNexus International Schoolで、約2週間、英語漬けの日々を送ることができます。小5以上なら一人での参加も可能。それ以下の子どもには、親子プランが設けられています。子ども一人3,200 USドル(渡航費別)なので、ちょっとお高いですが、現地の学校でネイティブの先生に教えてもらえる良い機会なのは間違いないですね。ご興味ある方は、鍋嶋さんの会社「Global Kids Japan」のサイトをご覧下さい。

最後に質問コーナーがあったので、一番に手を挙げて質問させて頂きました!

私の質問は:
「グローバル人材を目指すために、IB校に入れたり、サマースクールに行かせたりするのも一つの方法だと思いますが、日々の中で自宅で出来ることは何があるとお考えですか?もしアドバイスがありましたら教えてください。」

鍋嶋さんのお答え:
「たっくさんあると思いますよ。でも、最もオススメしたいのは、子どもに選択させることです。自分で選んだことは、やるようになりますから。実際、一人目の子どもには色々と与えすぎたな、と思っているんです。あれもこれもと、色々やらせすぎた。三番目の子どもに関しては、親の余裕がないのもありますが(笑)、やりたいと言われるまで与えないようにしています。与えすぎるのは、かえって逆効果かと思っています。」

確かに、子どもに与えすぎると、自分で考えたり選んだりする機会がなくなって、良くないですよね。現代の子ども達は様々な習い事で大忙しですが、それが逆に、子どもの考える力を奪ってしまっていたりするのでしょうか・・・。

今回のセミナー、たまたまネットで見つけて応募したのですが、IB校の教育や、企業が考えるグローバル人材について知る事が出来て、とても有意義でした。子どもがグローバルに活躍できるようになる為に、自宅で、親子で出来ることもたくさんありそうです。大変教育熱心な親御さんが集まっていらっしゃって、グローバル教育への関心の高まりを肌で感じた2時間でした。

企業が求めるグローバル人材とは?(part 1)はこちら

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