国際バカロレアセミナー@a.school part 2

前回の記事の続きです。国際バカロレアセミナーの第2部には、横浜インターナショナルスクールで高校2年生のSさんが登場されました。勉強が忙しい中、高校生起業家コンテストで賞を取ったことがあるほどの活躍ぶり。将来は、海外の大学に行きたいのだそうです。そんなSさんに、参加者から色々な質問が出ましたので、以下にまとめました。

a.school

Sさんへの質問コーナー

何故日本の大学を受けないのか?
インターに通っていると、9月入試になるので、行ける大学と学部が限られるから。また、日本の大学生を見ている限り、あまり日本の大学に行きたいと思わない。授業は寝ていても単位が取れるなどという話を聞くから。

将来は、リベラルアーツの大学に行きたいと思っている。経済学と写真の2つを学びたいから、その2つを学ぶにはリベラルアーツの大学かなと思っている。日本では2つを同時にできる大学がない。

今までの経歴は?
小学校は公立に行っていた。中学から玉川学園のIBクラスに入った。中1や中2の時は全然英語ができなかったが、お母さんにサポートしてもらった。お母さんが英語のプリントを翻訳。それに対する答えを私が日本語で書いて、それをまた英語に訳す、という作業があった。当時は大変だったが、まず先に言いたいことを書く癖がついたのが良かった。

中学に入った時に英語は出来なかったが、小学校の頃から何度も海外旅行に行くことによって、外国人相手でも動揺しなかった。中学受験の時、塾の先生が最低でも3つ受けろと言うので、玉川学園を受けた。第一志望校は落ちて、玉川学園へ行くことになった。

小学校時代はどんな習い事をしていた?
中学受験に向けて4年生から塾へ通い始めた時点で、それまでの習い事はやめた。バレエ、英語を4年生まで。ピアノや工作教室にも通っていた。小学校の先生が1年間でどれくらい本を読めるかコンテストをしたので、4年生から1年間に300冊以上読むようになった。本が大好きで、小説家になりたいと思った時期もあった。

IBを受けて良かったと思う事
日本の中高生とは違う教育を受けられるのが良い。暗記→テストという日本のスタイルとは違い、自分自身の答えを持つことがIB教育。自分自身を良く知る意味ではIBは良いと思う。プレゼンも頻繁にあるるので、次第に慣れる。また、ボランティア活動も自分の役に立っている。

参加者から色々な質問が飛ぶ中、的確に、はきはきと答えていたSさんがとても印象的でした。

山内さんへの質問コーナー

以下は山内さんへの質問です。

家庭での親の役割について
寝る前に一行ずつ言い合ってストーリーを作る。子どもが好きなことを一緒になってやると良いと思う。奥さんは教育熱心で口うるさいので、自分がバランスを取っている。

日本語はどうしてる?
学校では、日本語の授業も結構ある。漢字はやらないと覚えないので、それは漢検をやらせている。インプットよりもアウトプットが好きなので、日本語で誌や作文を作る宿題が好きで、積極的にやっている。

先生や学校を見極めるコツ
熱心な先生にあたれば良いが、やらない先生はやらない。日本では教育指導要綱があるので、最低限やるべきことは決められているがIBにはない。モチベーションや好奇心を高められる先生が向いている。各学校、見学ができると思うので、実際に行って見てみるのが一番良いと思う。

日本のIB校の利点
日本の一条校の場合は、数クラスある中で1クラスしかIBクラスがない。MYPの後にDPに行くかどうか決める際、高1の段階で意志を確認して選択肢がある。そこが日本の一条校のメリットだと思う。

ただ、IB校は塾産業にとってはまだパイが小さいので、IB向けレッスンなどは確立されていないのが現状。

山内さんにも、ご自身の経験や知識を惜しみなく共有して頂き、とても参考になりました。

最後に

会の最後に、Sさんと山内さんからそれぞれメッセージが。

Sさん
IBに行けば英語が出来ると考える親は多いが、努力しないとできません!玉学園に3年間通っても英語が出来なかった子もいる。

また、DPはエリートばかりということではない。エリート集団だから自分の子どもは大丈夫かな、という不安は要らない。とりあえず入れてみて、色々な刺激を受けさせて成長させれば良いのではないか。

山内さん
自分の娘にとってIBが良いのかどうかは、正直まだよくわからない。自分自身も答えが出ているわけではない。自分が受けてきた教育を自分の子どもにさせたくないという想いが強く、原体験として、IBのような教育を受けたかったな、と思っていたのがIB校に行かせた理由。育児には正解がないです。

山内さん、Sさん、とても貴重なお話、ありがとうございました!

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