世界の子育て/アイスランド編(part 1)

現在CURIOブログでは、海外で子育てしている(又はしていた)方への子育てインタビューを行っています。アンケート内容をまとめて、このブログで発信して行く予定ですので、ぜひお楽しみに♪!記念すべき第一回目は、アイスランドで2人の男の子を育てているHさんの子育てをご紹介します。

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今回のインタビューは・・・アイスランドにお住まいのHさん。2011年8月にアイスランド人のご主人と二人のお子さん(7歳と5歳の男児)と、レイキャビークに移住されたHさん。 現在は、ゲーム会社に勤務されています。長男のT君は私立小学校2年生。次男のL君はレイキャビーク市立幼稚園に通っているそうです。


Q:アイスランドでお子様達にどんな習い事をさせていますか?

T君

  1. レゴ週1回、校内で放課後に。通わせている理由は、創造性を養いたいから。
  2. 空手週2回、何か体を動かす習い事をさせたいと思って。また、空手は日本がルーツなので、日本人としてのアイデンティティを育てるのにもいいかと思いました。
  3. 日本語週1回、同じ境遇の子たちと一緒に学ぶことで、学習意欲が自宅で学ぶときとは異なるので。

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L君

  1. 日本語週1回

Q:子育て・教育環境で良いところはどこですか?

— 家族の時間がたくさんとれるところ。 男女間格差が世界一なく、性別に関わらずほとんどの人が働いているので、その分定時出社・定時退社が基本です。家族や友人と過ごす時間は平日でも十分確保できま す。(我が家の場合は夫婦とも同じ会社で働いていて、朝は8時に子どもを学校に送ってから8時半に出勤、午後4時半に退社、家に帰るのは5時です。)

— 働きながら子育てすることに社会の理解があるところ。 アイスランド社会の基本概念は「個人の生活>仕事」です。性別に関わらず、子どもを持つ親が、子どものために仕事の都合をつけること(子連れ出勤や子どもの学校のイベントのために欠勤・中抜けすること)に社会が寛容です。 ‐男性の育児休暇一部取得がデフォルトなので、出産・育児による女性側のキャリアへのハンデが少ない。

— 教育に関しては、「各自のペースにあわせた指導」が優先されているところ。 日本でやるようなテスト(紙一枚で、クラスの全員で一定時間行い、点数がつくもの)は、長男に関しては今のところまだ実施されたことがなく、ひとりひとり「テストブック」のようなもので習熟度を測っているようです。これはページごとにさまざまな設問がある本で、たとえば「aのつく物を囲んでみよう」とか、「この5つのアイテムのなかで仲間はずれのものに丸をつけよう」とかなっています。終了後に先生が回収してチェックし、それぞれの子の習熟度を見、半年に一度の保護者面談で親に「成長点・課題点」をこの本に基づいて説明してくれます。

— 学歴社会ではなく、「よい学業成績をあげる」より、「自分らしい生き方を見つける」ことのほうが優先されているところ。 人生のステージがベルトコンベヤー式(学校→就職→結婚→出産)ではなく、好きな順で進められるため(雇用体制も柔軟です)、精神的プレッシャーは少ないと思います。

— 外国語に対する許容性が高いところ。 アイスランドのマーケットは非常に小さいので、外国製品がアイスランド語にローカライズされてないのが当たり前です。結果として、国民的な英語能力は非常に高いです。小学生でも、アイスランド語の選択肢がなければ、映画やゲームの実況(YouTubeとか)は英語で見ています。

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Q:アイスランドでの子育て・教育環境で、改善して欲しいと思うところを教えて下さい。

— 基本的な学校制度が義務教育9年(初等教育6年/中等教育3年)-高等学校(5年)なので、他国に比べて大学に行くのが2年遅れるのは、これからのグローバルな時代に向けて変えてほしいところです。

— 「自分らしく生きる」のがモットーなのはいいのですが、もう少し「調和」や「組織だった行動」ということも学んでほしいなあ…と思うところも。公共心に欠けた大人も多いので。

2番目は特に日本人が気になる部分なのでしょうか。個人の生活が重視される余り、それに伴う課題も出てくるのかも知れませんね。日本の子どもは、調和や組織だった行動に関しては得意分野ですが、もっと「個」を立たせてあげても良いですよね。そのバランスが難しいところなのでしょうが・・・。

「世界の子育て/アイスランド編」part2は、次週アップします。日本とアイスランドの学校教育の違い、しつけの違いなど、興味深いお話を伺いましたので、お楽しみに!

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