情熱の国スペイン:真っ赤に染まる祭り『ラ・トマティーナ』

毎年8月最終の水曜日は、「ラ・トマティーナ」という、トマトをひたすらぶつけ合う激しいイベントがスペインで開催されます!世界的にも有名な奇祭として、4万人もの人が集まるそうで、使用されるトマトの量は120トンにも上るとか!またの名を「最も汚れる祭り」なんていう人もいるそうです。

tomato

スペインってどんなところ?

スペインは日本と同じくらいの長寿国ってご存じでしたか?情熱=スペインのイメージはありますが、長寿国というのは意外と知られていないのかもしれませんね。スペイン国民平均は82.4歳で、イタリア(82.7歳)に次いでEUの2番目。1970年と比べると10歳も延びているそうなんです。

2021年にはスペイン女性の平均寿命は、86.5歳まで伸びるだろうと予想されているそうです。ちなみに、スペインは犬たちも長寿だとか?!

なぜでしょう?

スペインで先ず思い浮かぶのが、「シエスタ」の習慣ですよね。遅めのしっかりした昼食を摂った後が午睡「シエスタ」の時間。14時から16時までお店が閉まるので、この事情を知らない外国人旅行者は戸惑いますね。

また、夏休みは2週間から1ヶ月くらい。バルセロナ近郊の海沿いでは、安いアパートをかりて休暇を過ごす人がたくさんいるそうですよ。基本的に「何もしない」のがスペイン人ならではの夏の過ごし方なんだとか!?

毎日シエスタを楽しむ生活スタイル、何もしない休暇の過ごし方をみてみるだけでも、「ストレスフリーの生活」は長寿の秘訣なのかもです。

スペインの場所はこちら

spain

日本との時差は8時間。日本からみてユーラシア大陸のちょうど反対側。日本からの直行便はないので、まずヨーロッパの主要都市に飛び、そこからマドリッドやバルセロナ行きの飛行機に乗り換えるので、乗継時間もいれて15-18時間ほどでしょうか。

結構、遠いですが・・、1992年のバルセロナ・オリンピックで知名度があがり、多くの日本人も訪れるようになっています。

ラ・トマティーナ(トマト祭り)の始まりは?

諸説ありますが、始まりは1945年8月最後の水曜日だったそうです。村の「ヒガンテ・イ・カベスード」と呼ばれるお祭り中、音楽に合わせて踊っていると、もみあいの喧嘩となった若者グループが、たまたま近くにあった八百屋からトマトをとって相手に投げつけたのが起源といわれています。

その後、祭りの度にトマトを持参したバトルが繰り広げられ、その度に警察が介入してこれを止めさせるということが数年続くうちに、トマト投げが祭りの呼び物としてすっかり定着したとのことです。1950年初頭、このトマトバトルは禁止されますが、これを楽しみにする人々は納得せず、逮捕されてもこのトマトバトルを続ける若者が後を絶ちませんでした。町の人たちが当局と話し合った結果、禁止令は解かれ、再開されたラ・トマティーナはより多くのファンを集めより熱狂的なものとなって行きました。そして1980年、ブニョール市役所が祭りの運営を始めると、トマトの数やトラックの台数は増え、参加者も年々さらに増して、今日知られる国際的なトマトバトルへと発展しました。

ラ・トマティーナの流れと決まりについて

ラ・トマティーナの流れ
1. 前夜祭:サンルイス通りの広場に集まり、飲んで歌って踊ってと夜通しのお祭り騒ぎ

  1. 祭り当日:9-10時頃「バロ・ハボン(石鹸棒)」開始。石鹸で充分に濡らされた1本の長い棒に登る競争で、棒の先端に括り付けられた景品(生ハム)を先に取った人が勝利

  2. トマト投げ11時頃~13時頃:ブニョ-ル市役所がこの日の為に準備した、トラックに山積みにされた約120トンのトマトが到着。11時頃の号砲で、狭い路地もいっぱいに埋め尽くされた人々は、一斉にトマトを投げ始めます。次の号砲でトマト投げが終了。

2時間後には何事もなかったように元通りの姿を取り戻すとか・・見事ですねー!

ちなみに、ラ・トマティーナが楽しいお祭りであり続けられるよう、次の決まりがあるそうです。

  • ビン類や硬いものなど、危険物は持ち込まないこと。
  • シャツ(自分の物も他人の物も)を破いたり投げたりしないこと。
  • 衝撃を和らげるため、トマトは投げる前に必ず手で潰してから投げること。
  • 危険のないよう、トマト運搬トラックからは安全な距離を保つこと。
  • 2発目の号砲が鳴ったら、即トマト投げを止めること。
  • 警備担当者の指示に従うこと。

トマトは投げる前に必ず潰してから、確かに・・・です(笑)

最後に

ここぞとばかりにとことんはじける熱いスペイン魂!ちょっと勇気がいりそうなイベントではありますが、世界中から観光客があつまるこの「ラ・トマティーナ」を一度は体験してみたいものですね。

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