アイス・バケツ・チャレンジ

先週くらいからfacebookのフィードに流れてくることが多くなり、メディアでも取り上げられているので、みなさんも一度はその様子を目にしたことがあると思います。今日はこの『アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)』についてご紹介したいと思います。

アイス・バケツ・チャレンジって何?

このアイス・バケツ・チャレンジはアメリカで始まったチャリティ運動の1つです。難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)への理解促進とファンドレイズを目的に始まりました。この運動の特徴は、対象者が「氷水をかぶるか、ALS協会に100ドルを寄付するか(もしくは両方)」を選べる点にあると思います。現在投稿されている動画では、ほぼすべての人が氷水をかぶっていると思いますが、その中の多くの人は同時に寄付もしているようです。

この運動を広く推し進めた要因としては、次に誰にこの運動に参加してほしいのかを指名すること、指名された側は24時間以内にどちらか(バケツか寄付か)、又は両方することを選択しないといけない点、そしてこれらがソーシャルネットワークのコンテンツとしてうまくかみ合ったことにあると言えそうです。

バケツ

日本ではチャリティ活動は根づいていない?

現在日本でもこのアイス・バケツ・チャレンジ急速に広まっています。この記事を執筆時点(2014年8月23日現在)のGoogleトレンドでは、上位3位のキーワードはこの運動に関する内容で独占されています。

日本でもチャリティ活動に対する意識が急速に広がってきているのかな・・・とも思うのですが、別の数字を見るとまだまだかもしれない、という印象も受けます。

少し古いデータではありますが、2011年に初めて発表された寄付やボランティアに関する全世界的な調査『World Giving Index 2011(世界寄付指数)』で1位はアメリカでした。

調査は、
・団体に寄付したか?
・団体でボランティアしたか?
・助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?

といったヒアリング調査を153か国に対して実施して調べた結果です。

ちなみに日本ですが何位だったと思いますか?日本は、全体の105位と世界的に下位レベルでした。香港が11位、韓国が57位、モンゴルが59位、そして台湾が67位ということですので、アジアの中でも世界的にも低いですね。そもそも、会社や家庭で寄付やボランティアといった話題が出ること自体少ないように思います。(とは言え、2012年の同調査では85位まで上昇しているので、少しは寄付やボランティアが広まりつつあるのでしょうか)

まずは知ること

報道によれば、一部ではこのチャレンジに対してチャリティ活動が流行化・イベント化することに対する疑問の声があるようです。ですが、自分や自分の大切な人がいつどんな試練に向き合うことになるかわからないのが人生ですから、できれば世の中の様々な難病や貧困問題に対して、このような取り組みで数十億規模の寄付金が集まり、力強く優しいセーフティネットができればいいと思います。

世界で起きている困難や試練に対しての気づきのきっかけとして、個人的にはこの運動の広まり方はすごく効果的だと思います。知らなければ何も感じないし、考えることもないのですから。

最後に

寄付、チャリティ活動に対する教育は日本ではあまり盛んではないと思います。言わずに実行する、といったところに日本人的な「粋」を感じる部分があるからか、お金についての教育自体があまり良いものとされていないからなのか、正確な背景は推測する以外にはできませんが、インターネットが普及したことで、チャリティが身近に感じられるようになったのは素晴らしいことではないでしょうか。

最後にこのアイス・バケツ・チャレンジの動画を1つご紹介します。ビル・ゲイツ氏の動画ですがこれを選んだ理由は、著名だからでも、わざわざ氷水をかぶる装置をビル・ゲイツ氏が自ら作っているからでもなく、氷水の量が一番多くて見応えがあると感じたからです(笑)

CURIO Japanのスタッフは、ゲイツ氏のように派手に氷水はかぶっていませんが、少額ながら日本ALS協会に寄付させて頂きました。一日も早く治療薬が開発されて、この病気で苦しんでいる方々やその家族、友人に希望の光が届きますように。

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