8月といえば日本では夏休み。海水浴や田舎への里帰りなど、いろいろなイベントがあると思います。世界では夏にどんなイベントがあるのだろうか?と思って探してみたところ、とても奇妙なお祭りを見つけました。今回はそんな世界のお祭りを紹介したいと思います。親子でちょっと奇妙なお祭りについて想像を巡らせてみてください!
携帯を投げる?
毎年8月になるとフィンランドではある奇妙な祭りが開催されます。その名も「携帯電話投げ大会」!この大会は、2000年、今からなんと14年も前にフィンランドで始まったお祭りです。
ちなみに、フィンランドの首都はヘルシンキという街です。日本からは飛行機で約9時間30分、時差は7時間で、日本から一番近いヨーロッパといわれることもあるのです。(旅行者に人気のパリは日本から12時間以上かかります。)
フィンランドといえば・・・サンタクロース?ムーミン?白夜?オーロラ?などなど、色々と思い浮かぶかもしれませんが、このお祭りでは「携帯電話」が主役です!
なぜ携帯電話の飛距離を競うようになったのか?
Nokia(ノキア)という企業をご存じでしょうか?そう、ノキアはフィンランドの携帯電話会社です。日本ではApple社のiPhoneが有名ですが、ノキアの携帯は世界中で利用されていて、フィンランドは携帯電話で有名な国としても知られています。
フィンランドの人々は携帯電話が大好きなようで、常に最新の機種を持っていたいと考えているようです。新型が発売されれば購入してしまう人が多いんですって。
それだけ頻繁に買ったり売られたりしている携帯電話、使われなくなった携帯電話はどうなっているのでしょうか?実はフィンランドのある保険会社の調査結果では、不要になった携帯電話の一部が不法投棄されているという結果があるようです。多くの人はリサイクルを実行しているものの、やはりそれを面倒だと感じている人がいるのも事実なのだとか。
携帯電話投げ世界選手権は、このように人々が面倒だと考えている使用済み携帯電話のリサイクルをスポーツにしてしまったお祭りです。
楽しみながらリサイクルを実行するために生まれた競技、アイデアの勝利といえるかもしれません。大会には地域のリサイクルセンターも協力していて、競技に使用された携帯電話をすべて回収しているようです。また、選手権の会場では新しい携帯電話を購入することも可能になっているようで、購入とリサイクルという循環がうまくおさまっているように思えます。
世界携帯電話投げ大会とは?
さて、ではこの大会に参加するにはどうしたらいいのでしょうか?
フィンランドで行われるのは世界大会です。ヨーロッパの一部の国での予選を通過すると、フィンランドで行われる世界選手権大会へのエントリーが認められるというシステムになっているようですが、残念ながら日本での予選大会は現時点ではないようです。
世界大会というくらいなので大会はとてもまじめに運営されていて、大会には4つのカテゴリーがあります。(wikipediaより抜粋)
- オリジナル(トラディショナル)部門: 上手投げで飛距離を競う。
- オリジナル・チーム部門: 最高3人までの競技者がそれぞれ1度だけ投げ、その合計飛距離で競う。
- フリースタイル部門: 投げる際の振り付けの美しさと独創性を競う。
- ジュニア部門: 12歳以下の子どもが対象。飛距離を競う。
競技で使用される携帯電話は、220グラム以上ならどんな携帯電話でも良いとされているためで投げやすいかたちのものを持ち込む参加者も多いのだとか。
世界記録は男子で2012年の101.46 メートル、女子では50.83メートルとなっているようです。優勝賞品は新しい携帯電話、というところも実用性とエンターテイメント性を感じますね。
こちらは大会の様子の動画です。
冒頭の電話相手に怒りながら(?)、ストレス発散とばかりに放り投げる様子が面白いですね。
最後に
いかがでしたか?とてもユニークな国民性を想起させるお祭りですよね。どういう理由でこんなイベントが開催されることになったのか?という問いに、正解はないのだと思いますが、誰かが始めた“なんでもないこと”がこんなにも大きなムーブメントになったのは驚きですよね。ちなみに日本人が優勝したことで有名になったエア・ギター世界選手権もフィンランドで開催されています!