Critical Thinking for Kids

先日参加した子ども向けクリティカルシンキング講座のレポートです。グローバルに活躍する上で、クリティカルシンキングのスキルはとても大事ですが、子どもの頃からそのスキルを養うためには、どうしたら良いのでしょう。

クリティカルシンキングとは?

クリティカル・シンキングとは、簡単に言うと「自分の頭できちんと考えること。」考える習慣、相手の意見を理解する力、そして自分の意見を持つ為のスキルのようなものです。クリティカルシンキングが出来ると、自分の意見を論理的にまとめてきちんと相手に伝えられるようになるのですが、これは子どもの頃からある程度の訓練が必要だと思います。

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先日参加した娘の小学校の授業参観では、クリティカルシンキングとは全く逆の光景がありました。先生の説明を生徒が聞いて、解答していくという、基本的に知識を詰め込んでいくスタイルでした。多面的に考えさせ、どんどん意見を出させるような方法とはかけ離れているので、見ていても少しもどかしくなりました。自分でよく考えることや創造力を養うような教育スタイルと日本の大半の教育は、大きく違うのが現状ではないでしょうか。

深く考えて、自分の意見を論理的に伝える訓練をどこですべきか・・・。これは親として重要課題の一つです。もちろん日常生活のコミュニケーションでもそれなりに努力はしますが、なかなか難しく限界があるかな、と思うのも現実。

クリティカルシンキングのワークショップ体験

そこで!IWCJ主催の「クリティカルシンキングの1日プログラムに長女と参加してきました。

プログラムの流れはこんな感じ。

  1. ルールの説明
    → 何を言ってもいい。NGや間違いはない。
    → 他の人が話をしているときは、遮って自分の話をしないこと。一人ひとり意見はちがう。個々が感じている素敵なことを、きちんと聞く。

  2. エジブトで本当にあったお話し
    → エジブトのミイラを見つけた旅人の話を軸にして、「何が起こったと思うか」「どうしてそう思うのか」を次々と各自の意見を述べていってもらう。基本はその繰り返しです。とにかく、意見と“理由”を添えて話をすることで考えてもらう、人に伝える訓練をしていく感じですね。

質問はこんなシンプルで分かりやすいもの。
・旅人は何をみつけたの?
・ミイラはどんな人たちだったのか?何故そう思うのか?
・何故、ミイラはそのまま残っていたの?どうしてそう思うの?等々

このプログラムは1時間なので、前後を省くと正味50分ほどでしょうか。参加されていたのは、15名ほどの小学生低学年が中心でした。

約50分の間、子どもと対話する先生の巧みなやりとりのおかげで、子どもたちは先生のお話しに釘づけになっていました。先生のシンプルな質問に対して、それぞれの子どもたちが自分の頭で考え、どんどん手をあげて発言する子、とりあえず手を挙げてから考える子、静かに見守って座っている子、色々なタイプの子がいました。発言のなかには、子どもならではの創造力豊かな意見も沢山あり、見ていている親も楽しかったのであっと言う間の50分でした。

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我が娘は、残念ながら今回はあまり意見交換に乗り切れず、終わってから聞いてみると「初めての場で、新しい人達だったから恥ずかしかった。でも面白かった。」と。発言することに躊躇しない、失敗するのは当たり前と伝えているものの、やはりそれなりの環境におかれて発言していく訓練は大切だなと、改めて感じました。

講師の方曰く、そもそもは「子どもが何を言ってもいい場所をつくりたかった」らしいです。「子ども白熱教室」ともいわれるとか(笑)。何より、50分間ずっと自分の頭を使って考え続けるというのは、学校の授業とはある意味真逆な感じですね。

コミュニケーション能力の訓練

今回のクリティカルシンキングを主催されたIWCJのサイトには、こんな記載があります。

『論理的に自分の頭できちんと考えるクリティカルシンキング(以下CT)を身につければ、「きちんと考える習慣」や「自分の意見を持つ力」がおのずとついてきます。また、CTでは、他人の意見の是非を判断する際に、「どうしてこの人はこういう考えを持つに至ったのか」ということを考える訓練をし、また、他人の意見をよりよく理解できるために、視点を変えたり、自分とは違う立場に我が身を置くトレーニングをくり返し行なう。自己主張ではない、しなやかな考える力と相手を尊重する力。それが CTです。』

親が共働きで、下の子はまだ小さく手がかかるため、お稽古事は2つが精一杯。でも、CTをベースとしたコミュニケーション能力はこれからの社会においてもとても大切なスキルなので、子どもの意向を聞きつつ、検討していきたいと思っています。

最後に、講師の狩野さんが新刊はこちら。学校や塾では教えてくれない
「これからを生きる力」を育む親子の会話術を伝授してくれる本だそうです。こちらも要チェックですね。

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