今回は、国策としてだけではなく身近に考えられつつある食育に、グローバルな視点を加えることによって、より楽しいものにしよう!というご提案です。
食育とは何か?
ここ数年、色々なところで目にするようになった「食育」というワード。書店に足を運べば、何種類もの本が紹介されているくらいに市民権を得ています。目にする機会が多くなると、なんとなく知っている気になってしまうものですが、食育とはいったいどのような意味を持つのでしたでしょうか?
内閣府のホームページを見ると、以下のように記載されています。
”生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることです。”
知育とは知的能力を育むことですから、“知育の基礎となるもの”という表現からは、広く教育全般の礎になるものとして考えられているように読み取れます。2005年には「食育基本法」も成立しており、教育関連の基本法としては「教育基本法」「障害者基本法」とこの「食育基本法」の3つだけが施行されています。
食育とグローバル教育はどう繋がるの?
グローバルな視点を育むということは「何々をしたから身につく」というよりも、少しずつ積み上げていく知識とその体系化に近いのではないでしょうか。つまり日々の生活の中で学ぶシーンを増やしてあげることができれば、その知識を実際に使うシーンも多くなり、必然的に知識の体系化が進むといえます。
そう考えると毎日欠かせない食事をテーマにした食育も、グローバルな視点を取り入れてみる有効なツールの1つだと思うのです。
食文化の違い
身近に食育とグローバル教育を感じてもらえる例として、フィリピンでの体験をご紹介させて頂きます。
数ヶ月間フィリピンで暮らしていた際に、現地の人たちとも食事を一緒にする機会を何度か持つことができました。一緒に食事をしていく中でとても驚いたのは、彼らはほとんど肉しか食べないということです。聞いてみると夕食だけでなく、朝も昼もほとんど野菜を摂らないそうです。
なぜ野菜を食べないのか何人かに聞いてみたのですが、答えはおもしろいことに皆同じでした。それは「野菜は、所得の低い人が食べるもの」という返答です。最近日本では、天候や自然災害の影響で野菜が高騰してきていますので、日本人にはなかなか理解しがたいかも知れません。
しかし、ある時隣に座ったフィリピン人に、自分が食べていたサラダを少し食べさせようとしたのですが、本気で嫌がられました。特別に作ってもらったワサビ巻や刺身などは何人かチャレンジしたのですが、野菜、特に生野菜に関しては手を付けようとしませんでした。野菜は体に良い、ということをきちんと伝えることができる英語力がなかったこともあり、単なる嫌がらせとして受け止められてしまったようにも思います。
結局数ヶ月滞在した中で、現地の人が野菜、特に生野菜を食べている機会は一度も目にしませんでした。日本に比べて果物の種類や量が豊富なので、栄養バランス的にはそれでつじつまがあうのかもしれませんが、一般的な日本人からすると食生活はかなり厳しいものになるかもしれません。
ちなみにフィリピンでは、お祝い事にはこれがなければ始まらない、と言われている食べ物があります。
これは「レチョン」と呼ばれる、子豚の丸焼きです。一度だけ実物を出してもらったことがあります。しかしその大きな皿の上にも、やはり付け合せの野菜は見当たりませんでした。
子どもは、親が昔経験した話しを聞くのが大好きです。このように、ご自身が訪れたことがある国の食生活について話しながら(時には質問を投げかけながら)、家族で生野菜を食べれば、子どもも楽しく話しを聞いて、興味を持ってくれるでのはないでしょうか?
毎月1回だけでも、ある国をテーマにした食事を用意して、その国について話しながら食卓を囲むだけでも、子どもの興味は十分に引き出せると思います。ご自身が旅行した国の料理をCookpadで検索すれば、沢山レシピが出てくるはず!また、英語ですが、80皿で世界一周という名前のサイトでは、各国の伝統料理レシピや作り方を動画で見ることができます。
食と世界を繋ぐイベント
東京では、様々な食のフェスが行われていますが、その内の1つに『肉フェス』があります。
このイベントはまだ2回目というかなり新しいイベントなのですが、前回はなんと29万人もの集客をしたイベントです。(前回は2014年5月に開催。)
特に、行列店やなかなか予約がとれない人気店だけでなく、各国大使館全面協力の下、世界の珍しい肉料理が楽しめるイベントですので、楽しんで食事をしながら世界の味や食文化を味わますよ!
肉フェス詳細はこちらから!10月24日~11月3日までの開催です。