世界で活躍する人の心がけ

グローバル人材やグローバルキャリアに関する著書や講演を多数されている、石倉洋子氏の新刊が出ました。若い頃から世界を股にかけて活躍している彼女が、日頃から心掛けていることが、わかりやすく説明されています。子どもをグローバルに活躍できるように育てたい、と思っている親にとっても、大変参考になる内容です。

石倉洋子氏のバックグラウンド

まずは、石倉氏が今までどんな活躍をされているのか、簡単にご紹介します。

上智大学卒業後、フリーの通訳として活躍。バージニア大学大学院でMBA取得。その後、ハーバード大学大学院でDBA(経営学博士)を取得されています。帰国後、マッキンゼーでマネージャーを勤めた後、青山学院大学、一橋大学大学院、慶應大学大学院で教授を歴任。慶應大学を退職された現在は、大手企業の社外取締役を勤めると同時に、講演、執筆、自主企画イベントを開催。

誰もが羨むような超エリートコース!とは言え、こういうキャリアを積まれた陰には、沢山の努力と、小さい心がけの積み重ねがあったそうです。本書では、そんな心がけをオープンに、時には自身の失敗も交えながら紹介されています。

まずは気楽にトライ

「失敗したらどうしよう」「上手く行かなかったら恥をかく」と考えて、なかなか最初の一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。でも、世界はすごいスピードで変化・進化しています。その中でじーっとしていては、取り残されていくばかり。考えてばかりいないで、まずは出来ることから始めてみましょう、と石倉氏は言います。

例えば、海外のホテルでエレベーターに乗っている時、同じエレベーターに乗っている人に「今日は良い天気ですね」と声を掛けてみるとか。「なんだ、そんなこと!」と思われるかも知れまえんが、人生を変える出会いはどこに転がっているかわかりません!石倉氏も、学生時代に乗った飛行機の隣に座った方と仲良くなり、卒業するまでずいぶん助けてもらったそうです。

「正しいやり方」にこだわるよりも、「むやみにやってみる」というルールをお持ちだそうで、とにかくダメ元でも構わないから聞いてみる。どうなるかわからないけど、とにかくやってみる、という考え方で、仕事でもプライベートでも色々なことにチャレンジしていらっしゃいます。

やってみることでしか理解できないこと、身に付かないスキルは沢山あるので、子育てにおいても、「正しいやり方」にこだわることなく、「むやみにやらせてみる」のが良いか知れませんね。学校でも家庭でも「間違えないように」ばかり気にしていると、せっかくのチャンスを逃してしまいそうです。

場数を踏んでみる

華々しいキャリアを積んでいる石倉氏でも、様々な場面でつまづくことがあったのだとか。会議のファシリテーションを任された時、あまり詳しくない分野の講演を依頼された時、大人数を前にプレゼンする時などなど。やはり誰でも、初めて何かにトライする時は色々と苦労があるのですね。石倉氏でも苦労したなら、一般のビジネスマンが苦労するのは当たり前です(笑)。

自信がつくまで繰り返し練習する、その道に明るい知人・友人に聞いてみるなど、とにかく何度もやって、場数を踏めば出来るようになる、と石倉氏は言っています。これも、子育にで応用できる心がけだな、と思いました。子どもが何かにトライした時、最初から上手く行くことの方が少ないです。そんな時、親が一緒になって練習したり、やり方を一緒に調べたりすることで、子どもが少しずつ自信をつけていくのではないでしょうか。どのご家庭も忙しい毎日を過ごしていると思いますが、自己肯定感や自信を高めるためにも、親が一緒になって場数を踏んであげることが大切だな、と改めて思いました。

体力が基本

外国の方との仕事が多かった石倉氏が、20代の頃に気付いたこと。それは、「海外の人達はとっても体力がある」ということ。夜遅くまでお酒を飲んだり、遊んでいたりしても、翌日は早朝からバリバリ働く方が多いのだとか。グローバルに活躍する為には、「時差ボケで頭が働かない」などと言っていられない!ということで、ランニングや合気道など、石倉氏は積極的に運動を生活の中に取り入れていらっしゃいます。

子どもの頃からの体力作りも、とても大切なのでしょうね。将来、世界を股にかけて活躍する為には、基礎的な体力が必要になることは間違いなし。子どもと一緒に体力作りにも励んでいきたいですね。

新しい世界を見せてくれる英語というツール

石倉氏が初めて英語に触れたのは中学生の時。大学3年生の時に留学をし、以来英語をツールとして使いこなし、グローバルに活躍されています。もともとネイティヴだったわけではない彼女ですが、世界共通言語である英語を使えるようになったことにより、大きな恩恵を受けたそうです。インターネットが発達し、世界中の情報へのアクセスが容易になった今、英語を使えるとアクセスできる情報量が圧倒的に違ってくるのですよね。やはり英語は、ツールとしてとても重要なのだと改めて感じました。

とは言うものの、、考える力、表現力、知識という土台があって初めて、英語がグローバルで活躍するにあたって活きてくるのだと思います。ただやみくもに英語が話せるようになったとしても、世界を舞台に活躍できるわけではない、ということは肝に銘じるべきだと思いました。

まとめ

本全体を通して感じたのは、石倉氏の旺盛な好奇心、チャレンジ精神、ポジティヴさでした。60歳を過ぎてもなお、新しいことにチャレンジし続け、年齢や経歴問わず、周りの人々から学ぼうとういう姿勢が素晴らしいと思います。彼女の頭の良さ、堪能な英語ももちろんですが、それ以外の「心の持ちよう」の部分が、世界で活躍する為に大切なものなのではないでしょうか。

子ども達の中にある、好奇心やチャレンジ精神をぜひ、幼い頃から養っていきたいものですね。

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