情熱の国スペインのイベント、昨年夏はトマトをひたすらぶつけ合って真っ赤に染まる祭り「ラ・トマティーナ」をご紹介させていただきました。
今回はスペイン3大祭りのひとつである世界が熱狂する「サン・フェルミン 牛追い祭り」のご紹介。一度はテレビなどで見たことのある方が多いのではないでしょうか。牛と人が激しく駆け抜ける“命がけの牛追い祭り”とは、どんなお祭りなのでしょうか?
牛追い祭りの起源は? 参加資格は?
牛追い祭りの起源は、12世紀に遡ると言われています。そもそも牛追いは、郊外に集められた雄牛を闘牛場まで運ぶことから始まったそうで、それ自体が行事と認められたのは随分後の事だそうです。
牛追いには、18歳以上であれば国籍、性別不問で、勇気と度胸があれば誰でも参加することができるそうです。事前登録なども不要で、開始30分前までにスタート地点にスタンバイすればいいだけ。しかし参加者は自身と他の参加者の安全のため、パンプローナ市が決めた心得と禁止事項を守らなければいけません。
いつどこで開催されるの?
開催地はスペインの北東、フランスとの国境にあるピレネー山脈にほど近い「パンプローナ」という町で7月6日から開催されます。 パンプローナはヘミングウェイの小説「日はまた昇る」の舞台でも有名な土地です。人口約18万人の小さくて静かな町に、スペイン各地や世界中から250万人近くの観光客が押し寄せます。
パンプローナの場所はこちら。
バルセロナから鉄道で約4時間、マドリードから約3時間です。
サン・フェルミン牛追い祭り開催は毎年7月6日~7月14日深夜24時までです。
初日7月6日正午、市庁舎のバルコニーから市長による開会宣言がなされ、ロケット花火が打ち上げられます。
「ビバ・サン・フェルミン!(市民たちよ、サン・フェルミン万歳!」」と言う市長の声に、人々は地面を揺るがすほどの歓声で「ビバ!!!!!!」とはじまるのです!現地は白い装束と赤いスカーフを巻いた1万人以上の人たちで埋め尽くされています。これを着ていなければ、牛追いにも参加できないのですって。
スペインの迫力ある熱狂の祭典、想像しただけでドキドキしてきますね。
ちなみに前夜祭としてミサがあり、20時に聖フェルミンの遺体が安置されているサン・ロレンソ教会で15世紀から歌い継がれている聖フェルミンを称える歌を歌うことから始まります。これが、このお祭りでの最初の宗教的儀式となります。男性は燕尾服、手袋、シルクハットというフォーマルスタイルで、女性はこの地方伝統衣装に身を包むということになっているそうです。
牛追い
ハイライトの牛追いは7日~14日まで毎朝8時から行われます。
8時の数分前、参加者はスタート地点の壁に埋め込まれた小さな聖フェルミン像に向かって、加護を祈りながら合唱します。8時ちょうど、ロケット花火の合図とともに牛追いがスタートします。
牛たちは各牧場から牛追いのスタート地点となる町の「囲い場」から放たれ、参加者は牛に追われるように駆け出します。800mほど先の闘牛場にめがけてひた走るのです。
全ての牛が走り終えるまで大体2~3分。意外とあっという間ですね!
牛追いコースは勾配、道幅、カーブがあり、幅狭の道では牛の速度が落ちるとか、カーブでは牛が集団からはぐれやすいので襲われやすいなど。短い距離ながら変化に富んだコースなので、人と牛の動きを観察しながらいろんなドラマを楽しむことができるかもしれません。
巨大人形パレード
祭典中は牛追いだけでなく、早朝は6時から夜中12時まで、花火、ダンス、巨大人形がでてきたり、音楽パレードなど盛りだくさんのイベントが丸一日開催されます。
150年以上の歴史がある巨大人形のパレードが行われ、伝統的な音楽のリズムに合わせて踊ります。巨人の全高は約4mあり、重量は約60kg。この写真をみるだけでもすごい迫力ですよね!
うちの子どもはこの写真をみてなんか怖いと言っておりましたが・・・
現地では巨人人形にちょっかい出して怒らせ、 殴られないよう逃げ回るいたずらっ子も。追いかける人形や人もほんとパワフルです(笑)。
7月14日の最終日、夜中12時に市庁舎前で閉会式が行われ、終わりを惜しみながら、「ポブレ・デ・ミ」を歌います。町の光は消され、人々が手にしたろうそくと盛大な花火で広場が最も美しく輝く瞬間だそうです。
スペインのお祭りへのエネルギーや根性にはほんとに脱帽です。激しい熱狂的な牛追い祭、現地で見てみたい!と思うのは私だけでしょうか(笑)。
本場の熱狂を体感される方、安全にはくれぐれも気を付けて!
Source: WIKIPEDIA SanFermin, IBERO tour HP, etc.