最強の家庭教育講演会

MamaBA探求学舎のコラボレーションで開催された「最強の家庭教育講演会」@探求学舎代々木校に行ってきました。講師は探求学舎創設者の、宝槻泰伸さん。高校にも塾にも行かないで京都大学に受かった三兄弟の長男です。この三兄弟のお話は、ネットでも話題になったのでご存知の方も多いのではないでしょうか?大変ユニークな家庭環境で育った宝槻さんのお話しはとても興味深く、家庭学習のアドバイスが沢山ありました。

家庭学習

宝槻家では、幼少期からお父様によるユニークな家庭学習が繰り広げられていました。詳しくは、宝槻さんのこちらの本「強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話」をぜひ参考にして頂きたいのですが、教材には、漫画、映画、テレビ、日々の遊びなどなど、特殊な教材ではなく、一般家庭でも簡単にアクセスできるものを使用していたそう。

「どんな身近な教材でも、常にキーワードとしてあったのは“知的探究心”だと思います」とおっしゃっていた宝槻さん。家庭教育の一環として、一番開催頻度が高く、印象に残っているのはファミリーキャンプとのこと。釣り、火興し、食事作りなど、自然の中で、肌で感じた経験はとても大きかったそうです。例えば釣り一つとっても、どうやったらより多くの魚を釣れるのか考えて、どんどん魚の捕り方が進化していく。物事への取り組み方、クリエイティヴな活動の面白さをキャンプを通じて感じたとおっしゃっていました。(全くキャンプに縁がなかった宝槻一家がキャンプにはまっていくおかしな様子は、上述の本の中に書いてありますので、ぜひお読みください!)

体験の数が豊富で、自身の体験を一般化・抽象化できている子どもは要領がよく、勉強に応用できている、と話されていた宝槻さん。自発的に創意工夫できるのか、教わらないとできないのか。創意工夫をする経験が積みあがっているか。その辺りに家庭学習の鍵がありそうです。

また、どうやって知に触れさせるのか、どうやって学ばせるのか、そこをどうデザインするのかを、家庭学習のとても重要な課題としてお話されました。宝槻家では、物語に触れるということを一生懸命やっていたそうです。面白い歴史のドラマや漫画を読み漁り、そこから“もっと知りたい”気持ちが生まれていったのだとか。史実に基づいていない小説や漫画もありますが、正しい知識よりも、“もっと知りたい”という気持ちの方が何百倍も大事だとおっしゃっていたのが印象的でした。教科書には知識が羅列してあって、正確性や羅列性に特化しているけれど、物語は共感や感動があって追体験ができる。そこで歴史に目覚めていったと話されていました。

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宝槻家のお父様は、子ども達に最適な入門編を見つけてくるのがとても上手だったそうです。いかに興味を持たせるか、という最初のハードルを越えれば、子ども達は自分から進んでもう少し探究しようという気持ちを持つもの。本の中でも書いていらっしゃいますが、親は入門編の目利きになる必要があります。が、全ての答えや分野を知っていなくても良い。興味を持てば子ども達は自分で知ろうとするので、親はそのきっかけを与えてあげるのが大切だということですね。

子ども達の「知図」

宝槻さんのキーワードの一つに「知図」というのがありました。歴史、動物、漢字、コンピューターなど、色々な分野を学べば、そこに知の結びつきが出てきて、それぞれ個人の「知図」ができてきて世界が広がる。知図が色々と埋まっていけば、もっと楽しく世界旅行ができる、というわけです。

子どもの知図をどうやって豊かにしていくか。親も一緒になって探求し、“わかった”という感動の共有体験をどうやって作るか。自然現象や数、科学技術の発明など、子どもにやらせるという感覚ではなく、子どもと一緒にやっていこうというやる気。日常的に感動する手立てをどう作るかということを考えてもらいたい、とおっしゃっていました。

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大学までの道のり

ユニークな家庭教育環境で幼少時代を過ごした後、宮崎の公立高校に入学した宝槻さん。「偏差値を上げて国立の大学に行くこと!恋愛禁止!睡眠時間も3時間くらいで良い!」という学校の指導のもと、毎日ものすごい量の宿題が出ていたそう。勉強は質よりも量でカバーすることが求められたそうです。

そんな高校の勉強に疑問を持った宝槻さんは、高校1学期終了後に、高校を辞めたいとお父様に申し出ました。それに対するお父様の答えは「いいよ」だったそうです。宝槻さんは、高校2年の時から通信制の勉強をし、大検を取って京都大学進学します。その後、二人の弟さんも同じ道を辿ることに。

兄弟全員が、塾も高校も通わずに京都大学に合格できたのは、小さい頃から沢山の「知」に触れ、探究心が育まれ、自身の体験を一般化・抽象化できていたからなのでしょう。宝槻さんのお話しを伺って、家庭学習でここまで出来るんだ、という驚きとともに、やはり家庭での過ごし方がとても大事なのだと改めて感じました。

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参加者同士のディスカッションや意見交換の時間もあり、あっという間の1時間半。とても充実したイベントでした。“親子で世界を学ぶ”をキーワードにしているCURIO Japanとも共通点がいくつもあり、大変勉強になりました。

宝槻さんが立ち上げた塾「探究学舎」の詳細はこちら。学習塾とは違い、子どもの「?」を「!」に変えて、好奇心、探究心を育てるための授業を行っています。

また、塾に通うのが難しいご家庭には、通信教育もあります。詳しくは「TanQ family」をご覧ください。親子で「探究心」を育てられる興味深い内容です。

宝槻さんの著書もお忘れなく!(ユーモア満載!チャーミングなご家庭の話が面白いです)

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