子どもにインターネットとどう付き合わせるか

子どもインターネット

IWCJ=International Women’s Club Japan 主催のセミナー参加。学校の先生や中学生、保護者の方々に対して年間約250ヶ所でインターネットに関する講演をされておられるGREE社の小木曹さんがセミナー講師でした。

「子どもにネットとどう付きあわせるか」、「インターネットで人生を台無しにしない」というテーマで、ネットが普及するにあたってどのようなリテラシーを持っていくべきかということを考えていくという内容。

講演の3つのポイント

1.ネット特有のリテラシーは存在しない。
2.子どもの問題ではなく大人が先ず認識することである。
3.ネットは危険で当然である。

いまはインターネットの過渡期であり、今後10年~15年後、オンラインオフラインの境がなくなればこれらの問題もなくなり、意識もかわってくるだろうというのが彼の見解。その頃にはネットのリテラシーという言葉さえなくなっているかも知れません、とのこと。

SNSについて

SNSとは、人と人を結びつける機能/より深める機能。掲示版、伝言板などがインターネットにのっかったもの、と小木曹さん。

~SNSの人と人とを結びつける事例~
事例1:気仙沼の災害で助けを求めSNSで拡散して東京都がヘリを飛ばして助かった!
事例2:トイレの個室で紙がないと叫び、拡散してトイレットペーパーが届いた!

トイレットペーパーはすごいチャレンジですね(笑)とは言え、ここで気を付けなければならないのは、子どもには場所を明記しないように指導すること。誰かが来てしまう可能性があるので書くのは危険です。部屋の写真をスマホでとってインテリアを公開したら、GPSの位置情報が埋め込まれていて特定の場所がばれてしまった、なんてこともあるそうです。大人でもついやってしまいそうですよね。スイッチを切ってもGPS効力が続いていることが多いので、位置情報サービスでカメラのアプリをオフにすることをオススメされていました。

~SNSの炎上事例~
事例3:ローソン店員がアイスケースに入って横になった写真をとってアップした!Facebook からTwitterヘ、そして新聞にも掲載され、最終的には衛生面などのクレームが何百件とかかれローソンはその店を即閉鎖させたそうです。お父さんが8年間頑張ってつくりあげていた店だったのに・・・。

Facebookは炎上しにくいとは言われていますが、多少時間はかかるが炎上するそうです。たった1枚の写真から、企業価値も企業危機も、株価まで影響してしまう怖い事実がたくさんあります。昔の掲示板とは拡散のスピードと規模の桁が全く違いますからね。

事例4:いじめの動画をYouTubeに投稿!
30分後、一気に拡散が始まったそうです。学校名も身元も、両親の勤務先も特定され、最終的に引越したそうですが、その引越し先も書かれ公になってしまったそうです。

炎上の過程として
1.自分から友達限定につぶやく 
2.その友達が写メを撮ってつぶやく 
3.写メ(画像)はどんどん拡散していく
炎上を目的としているわけでないのですが、面白いと思ってもらいたくて画像でつぶやいてしまう。画像となったとたん拡散はものすごく速い!そうです。

最近、企業は炎上させた人を採用しないように努力しているので、就職時の推薦や内定の取り消しが相次いでいるそうですよ。

私たちはどのようにネットと関われば良いのか?

色々なトラブルがあるとは言え、インターネットは我々の可能性をひろげてくれる。グーグルグラス、コンタクトレンズ型のスマホなど、ウインクで写真撮影ができたり、頭をたたけばメールがとばせる、なんて言うのはすぐ実現していけるそうです。

では、ますます身近になるインターネットとどうやって関われば良いのか。日々の生活でやってはいけないこと、非難されることは当然ネットでもやっていけない。迷ったときは、『自分の玄関の外側にはれるかどうかを考える”ということ』というアドバイスはシンプルで分かりやすいですね。

炎上対策で小木曹さんが話されていたポイントは3つ:

1.書き込みはだれの目からみても適切か。
2.万が一、炎上したとき対処方法がイメージできるか。
3.安易に削除しない(大抵、画像ですでにとられている)。

国に守ってもらう時代ではない。個人がサービスを選んで決める時代である。良いものと悪いものをみわけるチカラが大切、ともおっしゃっていました。またアドバイスとして、親と同じ機種を買うこと、最初だけでもアプリのダウンロードは親が管理すること、ペアレンタルコントロールをいれることを挙げられていました。

子どもは好奇心旺盛で吸収力が本当に早いので、大人よりどんどん知識を得て容易に使いこなしてしまう・・。子どものクリエイティビティを活かせるネットにするためにも、彼らが自身で判断ができるよう、親がきちんと見守ってあげることが必要なのでしょうね。とても勉強及び参考になる講義でした!

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