多様な生き方を支える教育論

岩瀬&小林セミナー

ライフネット生命主催のイベント「わが子の多様な生き方を支える教育論」に参加してきました。ライフネット生命の代表取締役社長である岩瀬大輔さんと、軽井沢のインターナショナルスクールISAKの代表理事である小林りんさんの対談だったのですが、お二人とも弾丸トークで、キレキレで(笑)、とても面白かったです。お二人は東京大学の同窓生だったのですね。

以下、対談内で印象に残ったポイントを、テーマに分けてご紹介したいと思います。

英語について


英語が堪能なお二人ですが(岩瀬さんは帰国子女、小林さんも高校、大学と留学経験あり)、“英語は小さい頃からやらせる必要はないと思う”という意見で一致していました。英語はツールでしかないので、幼少時からやることに意味がないのでは?とのご意見。小林さんは、「まずは一つの言語で論理的に考える力をつける必要があると考えているので、外国語を早い内から教える必要はないと思う」とおっしゃっていました。「英語だけできても、仕事ができない人は沢山いますしね」とは、岩瀬さんのコメント(笑)。

英語に関しては、私もお二人と全く同じ意見なのですが、一般的には英語を幼い頃から習わせているご家庭が多いですよね。やはり、グローバルに活躍するための第一歩として、英語を考えていらっしゃる方が多いのでしょうか。ちなみに私は、高校卒業まで岐阜の田舎で育ち、海外との接触ゼロ。東京の大学で真剣に英語に取り組みましたが、それでも十分間に合いました(TOEIC985点で、現在は会議やイベントの通訳もやっています)。個人的には、必要に迫られれば、語学は身に付くと思っています。

日本の学校について

「日本の公立小学校はいいなと思う」とおっしゃったのは岩瀬さん(ご自身のお子さんたちを見て、そう思うそうです)。「日本は、自分で使ったところは自分で掃除するなど、しつけの部分が特に優れている。日本の初等教育は他の先進国に比べても、レベルが高い。ただ、中学・高校あたりから満遍なくできることを要求されている気がする」と、小林さん。もっと良いところを伸ばす教育をして欲しい、とおっしゃっていました。

小学生時代をイギリスで過ごした岩瀬さんですが、イギリスの小学校で良かったのは、色んな賞があったことだそうです。足が速いという軸だけでなく、ファウル賞や面白い賞など、評価軸を変えることを学んだ、というお話が印象的でした。日本の小学校にもぜひ取り入れてもらいたいですね。

親の役割について

お二人のお話の中で特に興味深かったのが、ご両親のお話でした。お二人とも、ご両親の影響が大きかったようです。小林さんのお父さんは40歳で脱サラ→起業。60歳で引退するも、3年で飽きて63歳で起業。お母さんは53歳で市長に。と、これだけ聞いただけでも、ユニークな感じ(笑)。当時、平仮名の「りん」という名前が珍しく、親に名前の由来を聞いたところ、①どんな国に行っても簡単に覚えられる、②親の為に生きなくて良い。名前に漢字で意味をつけるのはお前自身だ、と言われたそうです。そういう経験から、“自分は自由に生きて良いのだ。人と違って良いのだ”と思ったと話されていました。
一方、岩瀬さんのお父さんは語学勉強をずっとしていたそう。そんな父親の背中を見て育ったせいか、自分も勉強が好きだったとおっしゃっていました。

今ではお二人ともご自身の子どもがいらっしゃるのですが、肩ひじを張らないで自然体で愛してあげる、子どもが得意&好きなものを見つけて伸ばしてあげる、情報をちりばめて選択肢を与えてあげる、というような事を子育ての中で心掛けていらっしゃるようです。「親も含めて、教える側に足りていないのは、多様な価値観、アジェンダセッティング(問題提起)、リスクテイキング。子どもはとても敏感なので、大人がやっていればちゃんと見ている」と話されていたのは小林さん。ご自身もどんどんリスクを取って、色んなことに挑戦されているそうです。

まとめ

自分の子どもや、周りの子ども達を見て思いますが、親の影響って本当に大きいですよね。細かく口を出さずに、いかに子どもに目を配れるか、必要な時に手を差し伸べられるか、が重要なことだと改めて気づかされました。親子の信頼関係を育み、好奇心を育ててあげることが、グローバル人材の第一歩になる、という私の考えと同じようなことを、グローバルに活躍するお二人がおっしゃっていたので、何だか勇気づけられました。

This entry was posted in seminar report. Bookmark the permalink.